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現場作業で覚えたセンターリング法について

 
今回公開したセンターリング法は、現場作業を繰り返しているうちに、たどり着いた計算式なので、誰にでも応用可能なはずです。

また、知識から入ったセンターリング(芯出)法ではないので、一番早い計算法になったと確信しています。

センターリングを始めてからこの計算式にたどり着くまでの経緯を書いてみます。
こちらに書いてます。芯出(センターリング)法を公開した理由



誰もが始めから上手に出来ることはあり得ないので、しばらくは試行錯誤が必要でしょう。

私が指導していたときは、練習用の教材を用意して初心者に練習させていました。
そして、センターリング法を実施すると、初心者でも一回の調整でほぼ狙った値に調整することが出来ることが検証されています。
これは全くの初心者のグループを数組つくって、仮設のセンターリング用機器で実施させた結果で、私自身がその場で指導し数値の確認まで一緒に行ったので間違いありません。

これは、重要な事で初心者がセンターリングを行う場合、闇雲に回転機を動かしてもなかなかセンターに持って行くことは出来ないことだったのですが、この方法では一回で全員が目的の位置に調整(微調整が必要な場合もあるが)できるという結果が出ています。

但し、それは上下の調整に限ります。
左右の調整はそれから多少の経験が必要になりますが、上下の面間と周の調整が出来れば、左右の調整は横移動だけになるので、重量物をどのように移動するかを覚えれば良いだけになります。

自分自身でこのセンターリング法を実行するようになってから、格段にセンターリングに要する時間が短縮されたことと、2 〜 3回の調整で上下の調整が終わるので本当に楽な方法だという実感から全員に公開しようと決心しました。
重量が重ければ重いほど、1回の調整で目的を達成できる確率が高くなります。
また、中間軸等でカップリング間の距離が長くなっても、最短の時間で調整できるようになるはずです。
これは、熟練者でも意外に引っかかっている部分ではないでしょうか?


他社の方と共同作業をしたときなど、カップリング直径と取付ベースまでの距離を測り、暗算で「前足12/100」「後ろ足28/100」入れましょう。後は微調整程度でしょう、と指示し調整すると上下の最大値で「7/100」程度になっている。

こういったことを目の前で実行すると、どうやって計算しているのか?
という質問をよくされていました。カップリング直径と取付ベースまでの比率の問題です。と応えていましたが、それだけでは再現できないようです。

一般的に一番多い方法として、取りあえず「適当な厚みを挿入して、いくつ動くのか測定する」という方法でのセンターリング法が多いように思います。
これは、うまくいくときは比較的早く結果を出せますが、躓くとかなりの時間を要する場合が多く発生するのと、繰り返し実行しなければ、最終的に調整できるのかも分からないのです。


センターリングの計算法を使えば、最初の計算で調整可能かどうかも全て分かるようになります。
調整できない物に時間を使う必要はありませんから、始めから対策を検討・提案できることも計算法の魅力です。
実際は前芯(分解前の測定)の値から計算するだけで、調整できるかどうかは判断できます。

偉そうに書いてきましたが、私のような学のないものにもできたのですから、本当に誰にでもできる計算法だと確信しています。
相手カップリング端から前足までの寸法÷カップリング直径(実際には測定直径)×修正したい値、で前足の調整量。
相手カップリング端から後ろ足までの寸法÷カップリング直径(実際には測定直径)×修正したい値、で後ろ足の調整量

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