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センターリングの実際

 

電動機のガタツキ 据わりを確認する

  1. ガタがあれば隙間のある足にライナーを挿入しガタをなくす。
  2. 小型モーターは手で揺する。
  3. 中型モーター以上は、取付ボルトを締付けたときの動きを測定し調整する。
  4. ボルトの締付け方は、対角に締付けていくことと、対角均等に締付けていくことが基本になる。
こんなことと思うかもしれませんが、ここはとても重要な手順になります。 ガタツキ、ベース間の不平衡が修正できればあとは本当に簡単になります。 そして、ベースボルトを締め付けるとダイヤルゲージの値が大きく変動するものは調整が必要です。 その状態で上げ下げしても良いのですが、できるだけ歪みの要因は修正しておくほうがいいです。

芯のくるいを測定する(共回し)

  1. 周と面間、左右の荒芯を出して、取付ボルトを締付けて、上・下・左・右の値を測定する。
  2. 荒芯の調整は手際よく行う。荒芯に時間をかけても本作業ではない。
  3. ダイヤルゲージ等は指示がなければ動力側に取付ける。
  4. カップリングや周囲の状況によって、逆の方が測定しやすければどちらでも良いが、記録に測定具取付け位置を明記するか、動力側からの値に修正して記録を作成する。
  5. 数回測定し同じ値であればよいが、毎回数値が変化する場合は測定具の取付に問題がある。又は、機械or電動機の軸受不良や取付不良を確認する。
このへんは経験しないと解らないかもしれませんが、そういってしまうとここで書いている意味がなくなりますので続けます。 センターリング(芯出)等で測定する場合は「上下左右」の4点の値を取ればいいです。 4点回せないような場合は、3点でもいいです。 4点も3点も正確に測定できれば同様に修正できます。 ただし、現場では正確に測定ができない場合が多々あるので、4点の値を取るほうが無難です。

芯のくるいを測定する(片回し)

  1. 共回しで測定する場合には、1回の測定でも正確な値を測定できるが、片回しの場合は、最低でも2回の測定が必要になる。
  2. 先ず、(共回しの場合と同様に)芯の測定をする。
  3. 次に、固定側(測定具を取付けていない方)を180°回して、芯の測定をする。(この時に「0°」等にマーキングをしておくとやりやすくなる)
  4. 「上・下・左・右」各位置の平均値が芯のくるいになる。
機器によっては、共回しと片回しでは、全く違う作業になることがあります。 基本的にモーター(電動機)で回せないというのはないと思いますが、機械等ではよくあります。 回せないというのは、電気で運転しない状態で、チカラで回すということです。 この、回転機器を回すという作業も現場ではそれなりのテクニックが必要になるかもしれません。

シックネスゲージによる測定法

  1. カップリングのマークを合わせて、測定位置を決める。
  2. 回しながら、カップリングの同位置で4点測定する。
※手の感触による部分が大きいので熟練者でも結構難しい測定方法の一つです。 この工法は教えることができません。 文章で教えようとしてもちょっと無理かと思えますので、経験してください。 というか、基本的に私は10年以上シックネスでの記録は取っていません。 作業の途中では使用しますが、最終的な値はダイヤルゲージ(レバーテスト等)を使用します。 リジットカップリング等ではシックネスゲージで測定する場合があります。

先ずは面間上下の調整

  1. 慣れてくれば、面周同時に調整できるようになるが、初めのうちは面間上下の傾きを修正後、周の修正を考える方がやりやすいだろう。
  2. 芯出作業は、数値で計算して調整する方が効率的な作業が可能になる。
  3. 初めのうちは、勘で修正する方が早いと錯覚する者もいるが、それは勘違いである。
  4. 勘だけで芯出できるほど、芯出調整は簡単なものではない。
  5. 感覚的な作業が重要になるのは、計算通り数値が動かないときであるが、これは、熟練者でも困難な作業になる場合がある。(原因が特定できれば簡単)
  6. 勘だけに頼った作業は、偶然と必然の区別がつかなくなり将来的に危険性を含んでいる。
  7. 実際に0.01mmの寸法は日常生活では考えることもない数値なので、頭の切り替えが必要になる。
難しいことはないのですが、同時に調整しようとすると混乱するようです、考えかたなのですが、面間の傾きの調整量プラスマイナス上下のくるいで調整量がでます。 なので、なれると簡単なことになりますが、ここで躓かないように、面間上下を調整してから高さを合わせるでも良いということを覚えておきましょう。

周の調整

  1. 基本的には全てのモーターベースに同じ厚みのライナーを加除して修正する。
  2. 取付ボルトを締付けた状態での値を修正するのであり、ボルトを弛めているときの値は参考値とする。
  3. ボルトの締付け状態で変化の大きいものはベースの不平衡、あるいは、ライナー厚の不平衡が考えられる。
  4. ただし、機械がベースに平行になっていない場合は、小型モーターは大きな動きが出る。
これも経験しないとわからな言い回しになってしまいますが、覚えてしまえが難しいと思わない程度のものだと思います。 ただし、ボルトの締付けで大きく値が変動するものはかなり難しいセンターリングになると思います。 それでも同じ程度のトルクで締め付けていれば、締付後の値はそれほど変化しないと思いますので、その値だけを修正するように的を絞ると良いです。

面間左右の調整

  1. このあたりの感覚は熟練する必要があるが、面間上下の平行度が出せるようになれば、左右の平行度も同様に調整できることになる。
  2. 面間左右は周の調整と同時に進める必要がある、或いは、左右の平行度をある程度追い込んでから、モーターを平行移動することを考えても良い。
面間左右の調整とは、ベースの上で左右の角度を変えるだけなので、動かす方向を間違えなければ難しいことはないと思います。 ただ、重量物になってくるとその重量を「0.01mm」のオーダーで動かすテクニックが必要になります。
センターリング(芯出)
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