洗浄乾燥ワニス処理
洗浄乾燥ワニス処理という処置は、電動機特有の施工内容で、設備的にも電動機関連の整備を実施している工場でしかできない作業だと言えます。
この、洗浄は異物が固着する前に実施することが望ましく、汚損状況が悪化してから行うのは効果が半減する可能性が高くなります。
私がお客様に説明させていただくときに、自動車の洗車・ワックスがけを例に挙げます。
まず、洗浄乾燥ワニス処理の一番の目的としては、コイル及び絶縁材をワニス(保護膜)でコーティングすることです。
ワニスによりコイル及び絶縁材の劣化を防止することが第一の目的だということです。
洗浄乾燥ワニス処理を絶縁回復処理と呼ばれることもありますが、これは、絶縁抵抗を回復することであり、絶縁材の劣化が回復できるものではありません。
自動車でも電動機でも同じなのですが、汚損したまま放置(使用)し続けると、その汚れは除去できないレベルに進行してしまいます。
そのような状態になってから、汚れを除去しようとしても、自動車でいえば塗膜を傷付けることが懸念されるように、電動機では絶縁材を損傷する可能性が高まります。
この状況は致命的な状況に進行する可能性もあるため、内部汚損が確認できた段階で、洗浄乾燥ワニス処理を実施されることを推奨させていただいております。
また、潤滑油の内部流入等の汚損も洗浄乾燥ワニス処理を実施されることを推奨させていただいております。
過去の事例から、絶縁抵抗が低下していなければ、拭き取り清掃で組み立てる場合が多々あります。
しかし、数年後にはケーブル被覆が「ふやけ」て焼損あるいは手で触れると被覆が剥がれてしまう(焼損寸前)ものも多くあります。
これらから判断して、設備保全のためには早期の洗浄乾燥ワニス処理が重要だと考えております。
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